歯周病

歯周病

歯周病とは

歯周病とは

歯周病は、歯と歯肉の境目にある歯周ポケットにプラークがたまり、プラーク内に潜む歯周病菌によって引き起こされます。歯周病菌が歯肉に炎症を起こし、そのまま放置しておくとやがては顎の骨を溶かし、最終的には歯が抜けてしまう怖い病気です。自覚症状に乏しいため、症状(痛い・歯がグラつく・口臭など)に気づいたときには、進行しているケースがほとんどです。

30歳以上の80%の方が歯周病にかかっていると言われており、適切な治療をしないと歯を失う可能性があります。そのため年に3~4回、定期的に歯科医院に通うことをおすすめします。

歯周病は沈黙の病です。

歯周病は、別名:サイレントディジーズ(沈黙の病気)といわれる病気です。虫歯のように自覚症状がなく、進行していくため、このような呼び名がつけられました。以前は歯槽膿漏と呼ばれていましたが、現在では総称して歯周病と呼んでいます。

歯周病の原因

実は歯周病菌はすべての人のお口に存在します。発症するかどうかは以下の3つの要因がかかわっています。

1 生体
遺伝、肥満、妊娠、老化など
2 環境
喫煙、不規則な生活など
3 細菌
プラーク内の歯周病菌

歯周病の豆知識

歯周病と喫煙

歯周病と喫煙

喫煙は、歯周組織に非常に悪い影響を及ぼします。タバコの本数が多ければ多いほど歯周病になり易く、重症化することがわかっています。また、喫煙している人には、歯周病の治療を行なってもうまく治らないこともわかっています。

タバコは、肺癌など様々な病気の原因でもあり、喫煙している方は禁煙されることをお勧めいたします。禁煙が無理でしたら、一日10本程度まで節煙するだけでも歯周組織の改善に効果があるとされています。

歯周病と飲酒

歯周病と飲酒

飲酒は、歯周疾患の直接的な原因ではないので、適度な酒量であれば問題ありません。但し、糖尿病など、飲酒により悪化する病気をおもちの方は、できるだけ控えるようにしましょう。また、歯磨きができなくなるほどの深酒は極力避けたいものです。

歯周病と遺伝

歯周病と遺伝

子供に発症するような特殊な歯周疾患では、ある遺伝子の異常が関与していることがわかっていますが、35歳以降に発症するような通常の歯周病では、現在のところ遺伝子の異常が関係しているか否かは研究段階にあり、はっきりとわかっていません。

歯周病とストレス

歯周病とストレス

心理的ストレスは、歯周疾患の進行に関係しています。ストレスが歯周病に影響を及ぼすメカニズムとしては、ストレスにより副腎皮質ホルモンが分泌され、免疫反応を抑制し、身体の抵抗力が低下することが考えられています。また、ストレスにより生活習慣が変化し、喫煙などが増えることによるという説もあります。

歯周病と糖尿病

歯周病と糖尿病

糖尿病は歯周病に悪い影響を及ぼします。糖尿病の方は歯周病になり易く、重症化する傾向があります。血糖コントロールが悪いと、歯周病の治療を行なっても治りが悪く処置後に腫れたりしますが、血糖コントロールが良好であれば歯周治療により改善が認められます。つまり、内科での糖尿病の治療と併行して歯周治療を行なう必要があります。

ヘモグロビンAlc(HbAlc)などの検査結果も歯科医師に伝えるようにしましょう。

最近、糖尿病が歯周病にではなく、歯周病が糖尿病に悪い影響を及ぼしていることもわかりつつあります。重症の歯周病に罹患していると、糖尿病の血糖コントロールが悪化する、あるいは歯周炎を治療すると糖尿病の血糖コントロールが改善するとされています。

また、糖尿病と歯周病は、いずれもストレスや食生活など生活習慣病であるということであるということでも共通の要因が関係しており、やはり、内科の治療と併行して歯周治療を行なうことをお勧めします。

歯周病が全身に及ぼす影響

最近、歯周疾患は、未熟低体重児出産(早産や未熟児)、心疾患、嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)、あるいは糖尿病などに悪い影響を及ぼしているということがわかってきており、日本でもテレビ番組などのマスメディアに取り上げられています。

未熟低体重児出産とはいわゆる早産や未熟児のことで、歯周病にかかっている妊婦ではそれが多くなります。心疾患のうち、特に心臓弁膜疾患の方や心臓人工弁が装着されている方は、歯周病にかかっていると細菌性心内膜炎になる危険があり、注意が必要です。また、歯周病は、動脈硬化に悪影響を及ぼしている可能性があります。嚥下性肺炎は、口の中の細菌が肺に入って起こす炎症で、体の抵抗力が低下している老人で起こりやすく、死亡の原因にもなります。歯周病にかかると歯のまわりに細菌の棲家ができてしまい、その危険性が高くなります。

この方面の研究が盛んな米国では,未熟児低体重児との関係は広く国民に読まれているニューヨーク・タイムズ誌にも取り上げられました。また、心疾患との関係では“Floss or Die?”(フロスしますか?それとも死にますか?)というセンセーショナルな言葉が巷の歯科医院の広告などにも見受けられるようになっています。
このように、歯周病が全身に影響を及ぼすのは、歯周ポケットの中にいる細菌あるいはその毒素が歯ぐきの血管に入って、全身に広がっている為と考えられています。

歯周病の自覚症状チェックシート

以下のチェック項目にひとつでも当てはまれば、歯周病かもしれません……

  • 歯肉が赤く腫れている
  • 歯周ポケットが広がってきた
  • ちょっとしたことで歯肉が出血する
  • 歯がグラグラする
  • 口臭が気になるようになった
  • 歯の根が露出してしみる

歯周病の進行

  • 症状1
    歯肉炎
    歯ぐきが赤く腫れます。ブラッシング時に出血がみられることもあります。
    歯肉炎
  • 症状2
    歯周炎
    歯周ポケットが広がります。冷たいものがしみたり、口臭がひどくなったりします。最終的には膿が出て歯がグラつき、やがて……。
    歯周炎
  • 症状3
    歯が抜け落ちる
    顎の骨が溶かされて歯を支えられなくなり、やがて歯が抜け落ちます。数本まとまって抜けることもあります。
    歯が抜け落ちる
歯周病のチェック

歯周病のチェック

歯周ポケットの深さを1本1本測定し記録します。
これにより歯肉の健康状態や歯周病の進行状態がわかります。ここで1~2㎜を健康・3㎜以上を歯周病と呼び軽度・中等度・重度と段階づけ治療計画を立てていきます。また、炎症の有無、出血、歯石の付き具合なども分かります。1番大事な作業です。
この記録を定期健診のたびに記録しておくことで以前との変化を比較することができます。

歯周病の治療の流れ

  • STEP1
    レントゲン撮影
    全体的な写真を撮影し1本1本の歯に対する歯槽骨の状態を確認します。
    レントゲン撮影
  • STEP2
    歯周ポケットの測定
    歯周ポケットの深さを1本1本記録します。
    歯周ポケットの測定
  • STEP3
    歯ブラシ指導
    適切な歯磨き方法を患者様1人1人に合わせてご指導させて頂きます。
    歯ブラシ指導
  • STEP4
    歯石除去
    歯周ポケットの中にまで入ってしまった歯石を超音波などを使って取り除きます。出血がある所には必ずプラークや歯石がついているので除去する必要があります。
    歯周外科では、状態によって(歯周ポケットが深く器具の到達が困難な場合など)歯肉を開いて歯石除去を行なう事もあります。
    歯石除去
  • STEP5
    再検査
    歯石除去後日にちをあけてもう一度歯周ポケット測定をします。治療がまだ必要な所(出血がある所)は再度治療します。治療がうまく進んでいる場合、出血はおさまり、歯周ポケットは浅くなります。
    再検査
  • STEP6
    定期健診
    治療終了後定期的にチェックしていくことが大切です。
    定期健診

ブラッシングについて

ブラッシングについて

歯磨きはいつもしているから大丈夫と思うかもしれませんが、意外と磨き残している方は多く見受けられます。ただ磨くのではなく、1人1人に合ったポイントをおさえた歯磨きをしましょう。

基本的には

  • 歯周ポケット
  • 歯と歯の間
  • 噛む面

この3点はプラークがたまりやすい所と言われています。この3点に気を付けて磨きましょう。

ただ、1人1人歯並びなどの環境が違う為歯科衛生士によるご自身に合った歯磨き指導を受けた上で磨いて頂く事がやはり大切になります。

適切な歯磨きにより歯周病にならないように予防したり、または歯肉の腫れなど炎症を抑えることはできます。また同時に、歯科医院において歯石除去を行なう事で歯周病の進行を遅らせたり、改善したりする事ができます。
歯周病の治療には患者様と私たち両者の協力が必要不可欠になります。
歯石除去だけでは治りませんし、歯磨きだけでも治りません。
歯科医院に行きご自身の状況を確認した上で治療をしましょう。