衛生士ブログ

歯周病と心筋梗塞

 

 歯周病と関連する病気の一つに心筋梗塞があります。心筋梗塞とはなんらかの異変によって心臓に血液を送る血管が詰まり、その筋肉が壊死し最悪の場合命を失う恐ろしい病気です。その原因となる危険因子は、血管の損傷・喫煙・高コレステロール血症などが挙げられます。

 近年の研究で、心筋梗塞で亡くなった人の死因となった血管の中から歯周病菌が発見されたことが明らかとなりました。また、2007年の11月にアメリカの論文で重度の歯周病を患っていると心筋梗塞になるリスクが高まるということが発表されたり、重度の歯周病患者とそうでない人を比べると冠動脈疾患を引き起こす可能性が2倍ほど高いと言われたりしています。


 

なぜこの病気が歯周病と関連があるのでしょうか?

 


 歯周病に罹患しそれが重度化すると歯周病菌から遊離される内毒素が歯ぐきから血管に侵入し、血管内に炎症を引き起こすため、血栓が作られるのです。ほとんどの歯周病菌は血液中の白血球によって退治されますが、一部の歯周病菌は白血球から逃れられる性質を持っているのです。その性質を持つ歯周病菌は血小板を凝集させる病原性を持っており、血栓を作りやすくしてしまうのです。長年歯周病を放置すると、この歯周病菌が入り込んだ血小板が体内で増加し全身の血管をめぐり最後に流れ着く場所が心臓なのです。

 

 

治療後に薬を服用されている患者様へ

心筋梗塞の治療後にワーファリンという抗凝固剤やさまざまな種類の抗血小板剤などを服用されている患者様はそのまま抜歯やインプラント手術といった外科処置を行うと出血が止まらなくなる恐れがあります。その為、あらかじめお薬の量を調整して処置を行っていく必要があります。お薬を急に中止したり、全く中止したりすると危険な場合もありますので歯科医と内科医とでの十分な打ち合わせが必要となります。事前にお申し出頂くようお願いいたします。

※参照『歯周病予防研究会』HP、『日本臨床歯周病学会』HP


歯科衛生士 八島貴世